15のビート 過去作
続いて過去作を15のビートに照らしあわせてみる。
タイトル:ホーリィ・ダーク
ジャンル:バティとの友情
1 オープニングイメージ(1):
勇者と魔王の最終決戦(剣と魔法ものですよ、と読者に知らせる)
吟遊詩人が同行している。
2 テーマの提示(5):?
復活した魔王が荒廃した世界を見て、人間の所業が魔物以上のものだと独りごちる。
(テーマ人と魔物の違い)
3 セットアップ(1~10):
廃墟で想い人を待つ少女に魔王の出会い。
辛い過去を持つ少女に魔王は頓着せず、ホーリィという名前をつける。
二人はそれぞれの目的のために共同生活を始める。
4 きっかけ(12):
5 悩みのとき(12~25):
6 第一ターニング・ポイント(25):
二人で空を飛んで世界を巡る。ホーリィの目的は想い人を探すため。
しかしそこでかつて自分を虐げた貴族の館を発見し、殺意を見せる。
魔王がそれを了承するも、ホーリィはすんでのところでそれを止める。
魔物は全て月から来た。魔王とホーリィをいつかそこへ連れて行くことを約束する。
7 サブプロット(30):
8 お楽しみ(30~35):
9 ミッド・ポイント
貴族が息子ギルと娘リーフに魔王討伐を命じる。
ギルは父を切り伏せ、家長の座をのっとる。
10 迫り来る悪い奴ら(55~75):
魔王の過去の部下が現れ命を狙われる。
ギルとリーフが魔王討伐に出立する。
11 全てを失って(75):
魔王が仲間を殺しているシーンを目撃する。
その流れで自分が食べていたものが人を殺して得たものだと知る。
ホーリィは館を飛び出す。
12 心の暗闇(75~85):
ホーリィはギルに想い人が死んだことを知らされ、絶望する。
破壊衝動を蘇らせた魔王はギル、リーフと対峙するも、追い詰められる。
13 第二ターニング・ポイント(85):
ホーリィが引き返し、追い詰められた魔王とリーフの攻撃の間に飛び出す。
魔王はそれを助けるために瀕死の重傷を負う。
冒頭の封印魔法を使い、魔王は自分の力をホーリィに与える。
14 フィナーレ(85~110):
ギルとホーリィの戦い。ホーリィはギルの魔物の力だけを奪って去っていく。
15 ファイナル・イメージ(110):
夜明けの空に半人半魔となったホーリィが月を目指して飛ぶ、冒頭で戦いに同行した吟遊詩人がそれを見ている。
ああー。
主人公がまったく能動的に動いていないから悩みの時、きっかけのシーンが無くてもストーリーが進んでしまっている。
サブプロットもお楽しみも無い!
敵役がミッドポイントからポッと出!
ああー。
こうして見ると問題点が浮き彫りになるけれど、逆に良いと思える部分も見えてくる。
貴族の豚はとんでもなく嫌なやつに描けたと思うしファイナルイメージはとてもお気に入りで洒落ている。これたしか結末から先に思いついてこれを書くために書いたんだよなあ。
他にも敵役が魔王と木っ端貴族の息子娘ではショボすぎだし、ああ、魔王の配下もポッと出だこれ。登場人物は全員セットアップの段階で出さねばなりません。
敵を国単位にする。
主人公を能動的で共感しやすいキャラにする。
主人公の生活が一変するギャップがわかりにくいのでそこをどうにかする。
まあ色々なんとかすればなんとかなるかもしれない……